魚吉ではさんまは食べられないけれど…

 

 
 朝晩がだいぶ涼しくなってすっかり秋らしくなりました。秋といえばサンマですが、瀬戸内の地魚にこだわる「魚吉」としては使うことはできません。が、どうも親父はサンマが好きみたいで毎週休みたんびに買ってきます。それも一人2本ずつ。僕はもうあきました。
 
 店ではだいたいヒラアジを青魚として仕入れてるんですが、最近全然入りません。アジのいい漁場といえば全国的にも良く知られた佐賀関(大分)と愛媛側は佐田岬の間の豊予海峡。ともに関アジと岬(はな)アジというブランド名がついています。下灘の漁師もそこまでいって漁をするんですが、もちろん刺身用なので生きた状態でないとだめですし、まだまだ海水温は高いので港に着くまでに弱って死んでしまうことも多いようです。なんせ片道3時間以上かかるので結構大変なんです。
 
 アジの代わりにはサワラを使っています。サワラ自体は白身の魚なんですが、身がやわらかく食感が青魚っぽいので、代用しています。サワラは上灘の刺し網漁で獲れるんですが下灘で刺し網漁をする人はいません。下灘と上灘では漁法が全然違うので獲れる魚もかわってきます。なので、下灘の漁師にサワラをあげると結構喜んでくれます。この前もあまったサワラを同級生(漁師)のうちに持っていったら、後日お礼にマナガツオとナゴヤフグを持ってきてくれました。なんか「えびで鯛を釣る」ようなことに…。
 
 アジもサワラもおろしてしまうと痛みがはやく、なるべくその日のうちに使い切るようにしているんですが、それでも残ってしまうことがあります。それはまかないになるんですが、よくするのが「ひゅうが飯」です。郷土料理で簡単にいうと漁師風たまごかけごはんです。
余った刺身を醤油につけて生姜や大葉などの薬味を加え、たまごと混ぜ合わせてごはんにかける。宇和島では鯛の刺身を使って「鯛飯」として有名です。魚吉でも最近メニューにのせました、まさにまかないから生まれたメニューです。評判もなかなかいいみたいです。
 

 
郷土料理で簡単にいうと漁師風たまごかけごはん「ひゅうが飯」


2012年9月29日