アマギと道場六三郎さん

 

 
毎年夏の終わりくらいから、アマギ(シズ)がよく獲れます。アマギは値段も手ごろで料理もしやすく、スーパーでもよく見かける身近な魚です。うちも唐揚げや煮付けにしてよく食べています。少し面倒ですが、一夜干しにするとまた一段とおいしいです。また鮮度が良ければ軽く酢で〆て生でもたべれます。
 
その〆たアマギの身を「きらず」にのせてにぎる「いずみや」という郷土料理があります。「きらず」というのはおからのことで、砂糖と酢で甘酸っぱく味付けています。古くからある田舎料理なんですが「縁切らず」という意味から今でもお祝いごととかにつくったりします。「いずみや」というのは、別子銅山の開発に大阪から来た住友家が伝えたもので、住友の屋号「泉屋」から名前がついたらしいです。察しのとうりそんなに美味しくはないです。また魚はタチウオでもいいです。
 
このアマギの話なんですが何年か前に道場六三郎さんの番組がありました。、道場さんの料理人人生60周年のパーティの献立を作っていくような内容で、道場さん自らが愛媛の小さな漁港まで仕入れに来て「最近これが気に入ってるんだよ」とか言いながらアマギや大アナゴを選んでいました。まさかそんな大事な献立にこんな安いもんを使うのか、と驚いていたら見事に調理してふるまっていました。イタリアンの落合シェフやフレンチの坂井シェフもアマギの唐揚げが美味しいとおっしゃっていました。
 
値段ではなく自分がその時本当に美味しいと思うものを食べてもらう。当たり前なようでなかなか出来ないことです。やっぱりすごい人やなと感動しました。
 
僕やったら無難にオコゼやカレイを揚げものにするやろなあ。
 
余談ですが道後の老舗ホテルでもコース料理にアマギの唐揚げが使われることがあるそうです。
それを聞いてうちの店でも「おすすめ」に出したことがあるんですけど、あまり売れなかったんです。この漁師町ではアマギはあまりにありふれた魚で、家庭的すぎるのかもしれません。逆に高価なフグのほうが喜ばれるみたいです。
 
というわけで今年もやっとフグ料理をはじめましたのでぜひ問い合わせなぞしてみて下さい。
 

お祝い事につくる「あまぎのいずみや」


2012年11月19日