アオリイカ

 
梅雨に入ってしまいました。店としては、残念なシーズンです。
 
多くの魚が産卵を向かえる時期でもあるんですが、その習性を利用したちょっと変わった漁があります。「たたき網漁」といって、産卵にやってくるアオリイカだけを獲る漁法です。
 
アオリイカは浅瀬の海藻に卵を産みつけるので、そこを狙います。長い棒で海面をバッシャン、バッシャン叩いてはイカをびびらし、慌てて飛び出した所で網にかける。ウソみたいな原始的なやり方ですが、多い時には一船で20~30キロくらい獲ってきます。店にもいっぺんに沢山持ち込んでくるので、さばくのも大変なんですが、どうせ暇なころなんで、だいたい引き受けます。
 

 
大きいものになると3キロを超えるアオリイカは身や下足、耳以外にも食べれる所があって、口の部分なんですが、ちょっとした珍味です。
 

 
蒸したり、ゆがいたりして食べるんですけど、1キロくらいのではあんまり食べる所がないんで大きいようなんだけを取っておいて、酒のあてにしています。ちなみにこの口の形が鳥のくちばしに似ているので「とんび」とか「からす」とか呼ばれています。
 

 
うっとおしい季節ではありますが、毎年のように水不足が心配される瀬戸内地方なので、「今日も雨かあ」、とか嘆かずに、仕込みをしたり、掃除をしたり、夏に向けて気合を入れたりして、前向きに、この暇を潰していきたいです。
 

 


2013年6月2日